2012年03月18日

心のカギ ~6

6. 途方にくれて歩く。 やみくもに歩き回る。 なんで私はこんなことをしているのだろう。 カギをかけてしまったこの想い。 私だけの想いだから、美作さんには・・・・・関係ないのに。 ------ごめんなさい。勝手に出てきてしまって。 心の中で謝る。 美作さんには届かないけれど。 ごめんなさい。 プププーーーー! 大きなクラクションの音に、思わず体が跳ねる。 「牧野! おい、牧野じゃないか? 危ないなあ。」 「?? -----西門さん?」 「久しぶりじゃん。 何やってんの、こんなところで」 「え? ここ・・? 」 「おいおい、ここ、どこか分かってんの?」 「・・・・・・・・・・」 「まさか、自分のしてること、分かってないんじゃねーの?」 「・・・・・・・・・・」 「やばいぞ、お前。 ・・・・・ちょっと待ってろ。」 そう言って、車を降りてきた。 乗っていた車は運転手さんにそのままお邸まで乗っていってくれるように頼んでいる。 なんで西門さん・・・? ここって・・・・。 げっ! ここって、西門さんの家の近くじゃん。 「あの~~」 恐る恐る西門さんを見る。 「お前、何があった?」 「何ってなによ。 なんで何かあった、なんて思うの?」 「お前なあ、何年の付き合いだと思ってんだよ。 高校からだぜ? 顔みたら分かるわな」 「ふっ。そうだよね。」 「何があった?」 「何もない。」 「しゃーねーな。 茶でも点ててやるから、ついて来い。」 「・・・・・うん。」





Posted by fqelgzflcg at 05:54│Comments(0)
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